[本の紹介](「BOOK」データベースより)
建設コンサルタント・二宮啓之が、産業廃棄物処理場をめぐるトラブルに巻き込まれた。
依頼人の失踪。 たび重なる妨害。
事件を追う中で見えてきたのは、数十億もの利権に群がる金の亡者たちだ。
なりゆきでコンビを組むことになったのは、桑原保彦。
だが、二宮の“相棒”は、一筋縄でいく男ではなかった―。
関西を舞台に、欲望と暴力が蠢く世界を描く、圧倒的長編エンターテインメント。
疫病神シリーズ第1作目。
黒川先生のシリーズ作品には
・大阪府警シリーズ,
・疫病神シリーズ,
・堀内,伊達シリーズ
などがありますがこのうち疫病神シリーズは
黒川作品中もっとも有名で今やメインとなっている
シリーズと言ってもいいでしょう。
このシリーズの5作目の「破門」で2014年直木賞を
受賞した事もあります。
シリーズの中でもこの作品は二宮・桑原コンビの紹介的な意味合いも
含め、黒川作品を初めて読む人はまずこの作品から手に取るといいかも
しれません。
ジャンル分けしてしまえば、ノワール系なのかもしれませんが
二宮と桑原の掛け合いはどつき漫才のようでやり取りを読んでいる
だけでも笑えます。さらに関西方面の産業廃棄物の処分地をめぐっての、
ゼネコン、土建屋、コンサルタント、不動産屋、地上げ屋、地方議員、極道たちの、
複雑に絡み合った利権争いの渦中で2転3転するストーリーからは
目が離せません。カタギの二宮が極道の桑原の子分として騒動に巻き込まれる
というシリーズのおきまりのパターンがこの最初の作品からすでに確立されて
いますね。毎回二宮はヤクザなどにひどい目にあわされるという意味で
桑原を「疫病神」と心の中で呼んでいるところからこの題名はきています。
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